モンスター出現、そして敗北

男友達三人で話の流れでとあるお店に行くことになった。

男女で認知率がすごく変わるタイプのお店に行くことになった。システムでいうと半個室みたいなとこに通され、そこに女の子が来てお茶を飲んで話しながら仲良く会話、いや口と手を使ったコミュニケーションをする感じだ。

一人の奴がジャン負けは指名なしで入ろうと提案してきた。変な奴が出てきても話題になるし、かわいい子来たら指名料なしでラッキーくらいに思ったので、面白そうだと思って乗った。もう一人も同じ感じで参加してきた。

じゃんけんポン!!…………グー。パー。グー。

負けてしまった(笑)

この時はそんな気楽な感じで自分も店に入っていった。友達二人は受付で指名して店内に消えていった。三人目に満を持して「指名なしで!」と自分も続いて入店していった。あの時の僕は、まだ髪型を気にしてみたりと希望に満ち溢れてた。

8番に案内された瞬間はまだ(末広がりの八か!ワンチャンいい日になりそうだな!)とか思ってた。しかし嬢が来た瞬間頭に電撃が走った。なんと表現したらいいのだろう…実写版ガマガエル、納豆要素が強すぎるおかめふくよか受け口ナス?まあパッと言葉を選んでこういう感じの娘が来た。入ってきてすぐ「ももクロの赤に似てるのでかなこって言います」と耳を疑うセリフを吐き捨てた。ガマガエルとももクロのかなこが結びつかな過ぎてパニックになってしまった。そう混乱してるうちに「今日あったかいですね~」と世間話を吹っかけてきたので、こちらも負けずに「そうですよね~、Tシャツ一枚で十分なくらいですもん」と返した。するとガマ子ちゃんが「あ、ええと、どっか旅行とか遊びに行く予定あるんですか?」と返してきた。この会話になってない感じに違和感を感じた。その後数ラリーして会話が成立しないタイプの人だと分かった。独特の間とこちらのセリフに対するリアクションの変さがやばさと怖さを助長した。もうすでに会話だけで嫌悪感が出てしまっているので、心は折れている。

しかし、そんなことはこいつには一切関係ない、ガマ子は服を脱ぎ始め、恐怖の一言を放った「キスしていい?」と。恐怖のあまり急所を隠そうとしたのか、できるだけ距離を取ろうとしたのか分からないが顎を引いてしまった。それを首を縦に振ったと捉えたのか迫ってきて唇が触れ合ってしまった。絶望。なんでかわからんが親に謝りたくなってきた。しかし、奴はそんなことを考える間もなく舌を入れてこようとした。思わず歯でガードし何とかそこだけは守り抜いた。その後はフレンチでしたよ感を出して、口を離した。もう完全に心がこわれて感情が消えた。そっから放心状態になってると彼女は、服を脱がしてきて色々してきた。最後の反撃でちょっとこっちから攻めてみた。そしたら「ヴァーーーヴァーー」と聞いた事ないモンスターのあえぎ方をした。もう本当に立ち直れなくなった。そこからは無の感情になってしまってるので、下で起きてることに一切目もくれず店のミラーボールを眺め続けた。たまに見回りに来るボーイと死ぬほど目が合った。残り五分のアナウンスの時点でガマ子に「もう無理だからやめて」と伝えて服を着た。五分先に入ったはずの友人より先に店を出た。

来た時よりよりも美しく」この言葉に対して顔向けできない行動をしてしまったと思った。帰って速攻シャワー浴びたけどなんか綺麗にならない気がした。

お尻よりも洗ってほしい。本当にそう思った。

 

 

 

無職になった今、お尻よりも洗ってほしい

世代じゃなくてもなぜか知ってる伝説のCM、TOTOの「おしりだって、洗ってほしい。

なぜかこの言葉が会社を辞めてから僕の頭から離れない。

新卒で割と歴史のある有名な会社に入社して働いてみたけどなんか違う。元々就活も熱量があるわけではなく、周り見ながらそこそこにやって、第一志望ではないけど受かったから入っただけだしなぁ…とか思ってしまう。大多数がそんなもんだと思う。

新卒の三年以内の離職率は30%位らしい。自分の肌感覚ではやめようと考えてる人の三分の一が実際行動に移してる気がする。つまり90%が三年以内に辞めたいと思って働いている状態大多数が辞めたいのだ

ふと我に返って人生振り返ってみた。小学生では活発に外で友達と遊び、中学で部活にはいって、高校受験を普通にして、高校でも部活して高3の部活引退して受験勉強して、普通の大学に行き、就職した。全部多数派の人生だ。振り返るとなんか違うなという気持になった。多分ここまでが多数派。

社会に出るまでは漠然とした不安があった。高校時代ロックを聴いて、社会に出たこともないのに社会はくそだとか言ってた自分が、あんなにも嫌いだった満員電車、お世辞、愛想笑いをするようになるのか…と。幸い会社の近くに住んだので電車には乗らなかったが、ほかの二つはやらなきゃいけない場面が出てきた。いつも通り周りを見れば、同期の奴が平然と愛想笑いしてお世辞を言っている。自分も周りと同じことすりゃいいんだ、そう言い聞かせて「流石ですね!」なんて愛想笑いしてみた。なんか汚れる感じがして嫌だった。それから何回やっても慣れることはなく、結局周りの人みたいにできなかった。

それから一年位いろいろ考えて多数派の道を辞めようと決めた。自分の意志で決めようと。なにをやりたい?自分に問いかけてみたら案外たくさん出てきた。その全部が会社員である必要がないものだったのでやめようと決めた。もちろん新卒三年以内でやめるのは少数派だった。初めて人生のメインのレールで多数派から外れた瞬間だった。

今、会社を辞めて二か月何もしていない。俗にいうニート引きこもり無職自宅警備員自由の身社会の底辺人間のごみ…etcの状態だ。結局ぼくは社会という自然の不純物の多い環境じゃ生きれないような、飼いならされた奴だった。こんな社会に対して潔癖な僕は、きれいな環境、生ぬるい環境で生きる方法を見つけないと死んでしまう。いまは一旦汚れを落としてるんだといって一日寝て過ごす。誰か俺をきれいにしてくれと思いながら。

あのCMが頭で流れるたびに強く思う、お尻よりも洗ってほしい。